2011年10月14日金曜日

【リリース情報】DVD Box - Definitive Miles Davis at Montreux Dvd Collection (ザ・コンプリート・マイルス・デイヴィス・アット・モントルー 1973-1991) & CD Box - 1986-1991: the Warner Years



マイルスのモントルージャズフェスティバル出演時(1973-1991)の映像が、まとめて10枚組DVDボックスセットとしてリリースされるようだ。音源自体は2002年に、20枚組のCDボックスセット「Complete at Montreux 1973-1991」として発売されていた。どうせ聴くならば、映像付きのほうが良いに決まっているので、CDボックスとDVDボックスの収録曲が同一なら、こちらのほうが内容的にも、コストパフォーマンス的にも良いだろう(一応、日本版はコンプリートと謳ってある)。

なおアマゾンの情報では、輸入盤はリージョン1とのことだが、Blu-rayが徐々に普及しかかっている現在、DVDはリージョンフリーで売られていることも多いので、実際にはフリーの可能性もある。ただ、国内盤との価格差は、アマゾンの先行予約ならばさほど大きくなく(記事執筆時2000円程度の差)、国内盤で買うのが吉かもしれない。アマゾンでは輸入盤が10月24日の発売、国内盤が11月2日の発売となっている。

詳しい情報は、後に追加する予定だ。



また、このDVDに合わせてか、ワーナー時代のマイルスのCDボックスセット「1986-1991: the Warner Years」も発売されるようだ。こちらの収録アルバムは、「TUTU」「Amandra」「Doo-Bop」「Dingo」「Siesta」にクインシー・ジョーンズらとの再会ライブで構成されるとのこと。3500円程度なのでかなり格安だろう。こちらの日本盤発売は今のところ情報がないようだ。こちらはアマゾンでは10月25日の発売と書かれている。



2011年10月8日土曜日

【映画】パリ20区、僕たちのクラス[現代:entre les murs]

ミニシアター系で少しばかり話題になっていた、『パリ20区、僕たちのクラス』をDVDで見た。日本人からすればフランス=白人社会というステレオタイプで見がちだが、パリ20区というのはそんなイメージと真逆の、移民を中心とした多民族地域である。というより、すでにパリはニューヨーク並みに多種多様な人種が集う町となっている。この映画は、そんな20区のある中学校の国語(フランス語)のクラスの1年の話である。

国語、と言う時点で、我々日本人はめんどくさい読解やら文法やら、と言った内容を想像するが、授業の内容は我々の想像を遙かに下回るレベル。なんと、14歳にもなって初歩の単語(思う:croire)の活用さえ出来ない奴らばかり! 発音も文法も怪しい奴らが大勢。日本で言うなら小学校1~2年レベルとしか思えない有様だ。しかも、どいつもこいつも授業中に内職したり、関係ない質問をしたりとやりたい放題。学級崩壊なんて言葉がだいぶ前から日本でも言われていたけれど、ちょっとこれはレベルが違いすぎる。完全にカオスだ。

主人公はこの映画の原作者であり、実際に1年間の中学教師を務めた人物。こんなことが本当に起きていたのだという。ある教師はあまりの現状の酷さに教員室でヒステリーを巻き散らかす。しかし、皆がその理由を分かっているから、何も言えない。それぞれがいろいろなことを考えて、様々な手を打とうとしているが、誰一人として上手くやれて居る教師はいない。

世に言う「子供が酷いのは親のせい」というのも教師達にも気づいているのだろう、生徒の親たちを呼び出し生徒の現状を告げる。ところが、ある親はフランス語が全く分からず、通信簿に書いている内容を何一つ理解していない。ただ、この子はよい子です、を繰り返すばかりで、息子の問題行動に目を向けようとせず、学校との解決に向けた対話もままならない。またある親は、不法滞在で捕まり、強制送還が見込まれている。

それでもやらなくてはならないんだと、怒りを抑えながら授業を繰り返していても、向こうは子供とは言え、もう1人前の自我も芽生え始める年頃。教師の言葉尻を捕まえては、文句を言ったり、へりくつをこねたり、素直に言うことを聞こうとしない。どうしてそこまで協調性がないのか? いろいろな原因もあるのだろうが、見ていた自分に思ったことは、どうしようもなく精神年齢が低いと言うことだ。自分はやりたいようにやる、ただそれだけという行動規範を占めるのが子供達がほとんどだったように見受けられる。ある意味、規範でがんじがらめにする日本からすると自由にも見受けられるが、正直、日本ならば幼稚園児レベルだろう。

結局、教師は、年頃のセンシティブな子供の気持ちを捉えきれなくて、一部の生徒に「自分は目の敵にされている」という意識を持たれてしまう。そんなわだかまりを解こうと悪戦苦闘するが、結局、教師は怒りを抑えきれなくて、生徒を侮辱的に扱う言葉を使ってしまう。それを鬼の首を取ったように言い振り回る生徒達。子供は禽獣と言うがまさに、である。最後には、気に掛けつつもわだかまりを解くことが出来ず、ある生徒を退学に追いやってしまう。

そして1年。1年を通して彼らが何を身につけたか、それは驚くほど低レベルな物でしかなかった。ある生徒は学期末に、それまで従順に見えたけれど、実は言葉も分からなかったので、ほとんど何も学んでなかったと言い出す。バカンスにはしゃいで教室を飛び出す子供達。教室には、散乱する椅子。誰も直そうとしないその様子が、フランスの教育現場の崩壊を物語っていた。

ロンドン暴動で、移民2世の就労環境の酷さが、暴動を密かに準備していたことが語られているが、同じ事はフランスでも数年前に起こっていた。フランスは当時パリ市長だったサルコジによる強権的な制圧で暴動は拡大しなかったが、已然としてパリ郊外の治安悪化は問題となっていて、それが極右の台頭の原動力となっている。そうした就労環境に悪さの原因の一つとして、教育が問題となっているが、その現場がこれなのだから、一体どこから何を手を付けて良いのだろうか? と考えさせる映画だった。

なお、この映画はドキュメンタリーの体裁を取っているように見えるが、全て演技である。生徒達の演技が余りに自然なので、完全にドキュメンタリーと思い込んでいた。その点は評価に値するが、ここに生徒と教師の心のふれあい、というようなありきたりな感動のドラマはなく(タイトルやジャケットはそれらしく見えるように作ってあるが)、ただすれ違いと問題だけが後に残った。近年の日本人の堕落ぶりを見ると、日本の学校でもおそらくは同じような現状が有るのではないだろうか。





クリムゾンのニューアルバム?「The Reconstrukction of Light」

クリムゾンが現行ラインナップでスタジオアルバムを作る予定はないと発言していることは有名だが、クリムゾンの最新スタジオアルバムと言えるかもしれない作品が登場した。それが6月発売されたばかりの「The Reconstrucktion of Light」だ。これは「The Constr...