2011年7月26日火曜日

Yes - Fly From Here




高中生まれプログレ育ちという育ちの悪さ(良さ?)を矯正すべく、クラシックとジャズに明け暮れたこの20年だが、やっぱり気になると言うことで、イエスの「フライ・フロム・ヒア」を購入してみた。

実のところ、イエスには興味を完全に喪失していた。ユニオンツアー来日公演を嬉々として見に行き、トークツアーも見て、結局は海洋地形学の物語編成に戻ったキーズ・トゥー・アセンション1まではまだ興味があったが、2がいくら経っても出てこないため完全にフェイドアウトしてしまった。さらに同時期、クリムゾンがプロジェクト名義で玉石混合のインプロをやり始めたことも大きく作用し、プログレから興味が完全に離れてしまった。

とはいえど、一応、イエスの動向は知ってましたよ。イゴールがセクハラやって解雇とか、ジョン抜きでコピバンのボーカリストとツアーしてるとか(あ、でもビリー・シャーウッドって誰だっけ?とは思った)。で、またもや「ドラマ」やってるんかい、と思ったら、アルバムまで作っちゃったというので驚いたというのが購入の顛末(ジェフの復帰と膨張具合にも驚いた)。

で、聞いて見た感想ですが、おお、確かにフライ・フロム・ヒアはいい曲だ。合間に陳腐なインストが混ざったりするが、イエスらしいサウンドになっている。ボーカリストも全然気にならないどころか、今のジョンよりいいんじゃないの?

でも正直、残りの曲がなぁ……。悪くはないんだけど、別に良くもないという平凡な出来。案の定、クレジットを見ると、各人のソロプロジェクトから素材を持ち寄ったような感じ。

余り多くは知られていないが、実はイエスのメンバー感の確執に相当なものがある。ユニオン時のプロデューサーであるジョナサン・エライアスのインタビューによれば、もはやメンバーが一斉に揃って曲作りすることすらままならない状況だったという。特にジョンに対する不信感は根強く、彼が金を全部かっさらっていくんじゃないかと皆が思っていたと言うから、恐ろしい(それに比べれば脱退したジョンをあっさり許した90125側は善人もイイトコロだ)。

そんな状況があった事から考えると、今のように曲がりなりにも共作できたことは、ファンからすれば嬉しいことである(要するにジョンがいなければみんなまとまると言うことか?)。付属のDVDを見ると、トレヴァー・ホーンをはじめとして、皆実にリラックスしているように見える。

でも、過去の素材の焼き直し、それもパートを付け足して水増しした曲で、ニューアルバムですというのは、ちょっとかっこわるすぎやしないか? YouTubeで見るライブはショートバージョン=ドラマ時のバージョンと余り変わらないし。



60歳を超えたメンバー達が、今でも精力的にツアーしているのは、実に頼もしいことだが(演奏は枯れているが。とくにハウは演奏も容姿も枯れている)、本当にイエスが素晴らしかった時期の作曲方法、つまりスタジオでみんなでアイディアを出し合い発展していく、その手法を再びよみがえらせるには、もはや皆ビッグネーム過ぎるのだろうか。有名バンドだけに期待が大きすぎるのかもしれないが、もう一度、ゼロから作った今のイエスの曲を聴かせてもらいたいと思うのは私だけではあるまい。

という、何とも複雑な1枚であった(そして私は「ドラマ」を注文した)。

<追記1>
このオフィシャルビデオクリップもちょっとなぁ……。


<追記2>
ギターマガジンとベースマガジンに、それぞれハウとクリスのインタビューが掲載されているが、これがなかなか笑える。特にハウは「もっと具体的な質問はないのか?」と繰り返すばかりの偏屈ジジイぶり。電話インタビューだろうけど、苦労したろうなぁ……(リットーには通訳・翻訳専門の人がいる)。

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