『Cochereau, Organiste de Notre-Dame :Documentaire issus d'Archives Ina et privées』
こんなものが出ている。日本のアマゾンでは取り扱っていないようなので、FNACから調べてみた。フランス・オルガンシーンは、サン=サーンスやフランクから連綿と続く、教会オルガニストの伝統を今でも保っている。教会オルガニストたちにとって、インプロビゼーションは欠かすことのできない技能だ。コンサートの時だけでなく、ミサの度に、インプロビゼーションをしなくてはならないのだ。ジャズがインプロを云々する遥か昔から、クラシックが忘れたとされるインプロの技術を、体系的に熟成してきた。このインプロビゼーションたるや、伝統芸能だなんて言葉はいっさい通用しない。前衛的でもあり、伝統的でもあり。つまるところ、様式の統一性を語ることすら困難なのだ。それほどまでに演奏者による個性の差が激しい。
コシュローのインプロビゼーションは比較的伝統的な和声に則っているが、それでも十分斬新だ。そもそも、巨匠と呼ばれたオルガニストたちの中で、映像を残した人間はほとんどいない。これはきっと貴重な映像となるだろう。が、まだ買っていない。ユーロ立てか……うーん。
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