さてこの「M/D」を恐らく編集していたであろう時期に、菊地・大谷コンビは非常に興味深い作品を仕上げている。Naruyoshi Kikuchi Dub Sextet 「The revolution will not be computerized」と大谷能生・門松宏明「大谷能生のフランス革命」である。奇しくも二人ともタイトルに革命(Revolution)を付けたのは、単なる偶然であったとしても、全くの因果関係が無かったわけではあるまい。なぜならば、この「M/D」においても、「革命」がキータームとなるからだ。
マイルスの生涯を音楽的業績を、彼が常に前進を続けて過去を振り返らなかったとして、革命的であるとする論調は、決して少なくはない。確かに彼が音楽界に多大なる影響を与えたことは衆目一致するところだろう。だが、菊地・大谷はマイルスが革命を起こしたという論調には賛同しない。マイルスが行ったのは、革命ではなくモードチェンジの連続だった、というのだ。
確かにマイルスの音楽的発展をつぶさに見るからに、電化は遅すぎるくらいのタイミングであったし、モード奏法がジャズ界を一変するほどの威力を持っていたかというと、フリージャズほどのことはなかっただろう。(途中)
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