2010年1月18日月曜日

Pマーク取得を楽にする3つの原則



ここ1年ほど、仕事のほうでPマークの更新というものを手がけている。実は、昨年12月に自社の更新作業は終わったのだが、それとクロスフェードするかのごとく、親会社の更新作業を手伝うことになった。両方とも、身の丈に合っていない規定を作ってしまったせいで、うまく動かせていないことろが複数あった。これらを解消するために、何をどうするか頭を使うのが自分の主な仕事となった。


さすがに2社もやればPマークにも詳しくなろうというもの。自分が1からPマークを取得するなら、絶対こうすると思ったことを書いてみようと思う。これからPマーク取得を検討したいという会社の参考になれば幸いだ。


1)コンサルは使うな


うちの会社・親会社はPマーク取得にコンサルを入れていたが、はっきり言ってとても対価に見合った効果を得られなかったという。


自分としてはコンサルを全否定はしないが、Pマークは自社の規模感に合わせて、ある程度柔軟に社内規程を決められるので、自社の状況や実態を知っていることが大事だ。外部からコンサルを入れると言うだけで、自社のだらしない管理実態を恥部として隠そうという人間も出てくる。そうすると、見た目だけ立派なことを謳った、使えないPマーク体制ができてしまう。


友人の会社も当初はコンサルを入れたけれども、同じ理由でコンサルを外したという。





2)根本規程はJIS基準の丸写しをしろ


Pマーク取得のために複数の規程を作る必要があるのだが、もっとも大事な根本規程(ここでは仮に個人情報保護管理規定と呼ぶ)は、変にアレンジなどせず、章番号を含めてJIS基準の丸写しをすることを勧める。JIS要求事項の何を実現するためにどの規程が作られたかがわかりやすくなるからだ。規程で求められた者を実現する手順書で、各社にあった施策を盛り込めばいい。


実際の審査基準にも「~が規定に盛り込まれていること」というのが、いくつも出てくるが、丸写しのほうが絶対にこれらを確認しやすい。


3)ガイドラインを見て対応する規定・手順書を作れ


http://privacymark.jp/reference/pdf/guideline_V1.0_060905.pdf


JIPDECではJIS基準のガイドラインを制作して配布しているが、これを元に手順書を作っていくと効率がいい(他で認定機関へ申請する場合は、そちらを参照)。ガイドラインに沿って審査が行われるので、むしろ、そこに書かれてないものは規定しなくてもいいぐらいだ。ガイドラインの1つ1つを見ていけば、自分の会社で実際できる施策は何か、考えていけるはずだ。


以上、ものすごく単純な話だが、JIS規定や法律を難しく捉えようとするから、自社Pマーク規定も難しくなる。Pマーク取得のためだけではなく、セキュアな個人情報保護体制の構築のためにも、なるべくシンプルに仕立てた方がいい。





2010年1月12日火曜日

マグマの音楽はヒトラー崇拝?



ここ数年、音楽と言えばジャズばかりを聴いてきたのだが、去年の前半ぐらいから、徐々にロックを再び聴くようになってきた。ジャズでは考えられないようなコードチェンジや、アレンジ・楽器の使用法がが改めて新鮮に聞こえたからである。特にこれまで手を出そうとしなかった、御三家以外のプログレに徐々に手を出し始めた。去年の前半はカンとマグマを、年末はゴングをよく聞いていた。


で、そのマグマの創始者であるクリスチャン・ヴァンデがいま2chでちょっとした話題となっている。彼は実はナチと第三帝国の崇拝者であり、独自の想像言語コバイア語で歌われる歌詞も、ヒトラーの演説を音韻的に模倣したものであるというのである。たとえば、代表作の一つである、MDKの"Fuhl mehn Fuhl ehndoh litaah"が"für mein Führer Adolf Hitler"の音韻的模倣であるという具合に。


http://jfk.2ch.net/test/read.cgi/progre/1243566397/250-450


このスレでは海外のフォーラムも参照とされていて、海外ではかなり議論されているようだ。何でも近年のコンサートでは、コンサート後のバーでクリスチャンが酔った勢いで黒人差別発言を繰り返していたのを何人ものファンが目撃したのだという。


かなり奇妙な話だ。マグマ結成のきっかけはコルトレーンの死だったと語り、オーティス・レディングに捧げる曲まで作り自ら歌っていたのは、他ならぬクリスチャンであったはずなのに。エルヴィン・ジョーンズを敬愛していたはずの彼が、本音では黒人差別主義者だったというのか。それとも、人種論から導き出された結論だというのだろうか。


また、どうやら聴くところによれば妻であるステラ・ヴァンデ(近年はステラ・リノンと名乗っているらしい)はユダヤ人であるという。そのほかにも、歴代メンバーにはユダヤ人がいるそうだ。いったいこの論理的な矛盾は何か?


しかし考えてみれば、マグマが題材としてきたような神話の世界は、本来的には論理で構築された世界とは一線を画すものだ。そこでは論理的な破綻や矛盾、背徳や理不尽が奇妙に同化して、スペクタクルを織りなしている。ヒトラーと第三帝国が持つ神秘主義や奇妙な理論に魅惑を感じる者はオカルト者には少なくないが、クリスチャン・ヴァンデのヒトラー崇拝の源泉もそこにあったのではないか。ゴングのデヴィッド・アレンも「Magick Brother」のMagicをMagickと綴ることでアレイスター・クロウリーへのリスペクトを見せたように。


こうした目で見てみれば、論理一貫しないことで一貫しているという、ある種パラノイアとしか思えない、アクロバティックなまでの雑種性が、実はマグマの神話的音楽の源泉だったのではないかという気なでしてくる。しかしされとて、疑問は尽きない。


ちなみに、大里俊晴氏はマグマのことを「クリスチャン・ヴァンデがファシストだから嫌いだ」と言っていたのを思い出した。彼がファシストであることは、かなり昔から言われていたことらしい。


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2010年1月9日土曜日

大里俊晴氏追悼イベントに行ってきた



本日1月9日に、関内・馬車道にて大里俊晴氏追悼イベントがあったので行ってきた。


イベントのメインはトークショーで、いろいろとエピソードが語られたのだが、会場が残響の強いところで、話の半分ぐらいしか聞こえなかったのが残念だった。生前、大里さんからちょくちょく話を聞いていた細川周平氏を初めて見かけた。師匠である塚原先生も少ししゃべっていた。トークショーでは大里さんが生前授業のネタによく使っていた、Alvin Lucierの「I'm sitting in the room」(文章の朗読を何度も空中ダビングしていくとどうなるかという現代音楽)も流していた。


後半には2008年に新潟で行った大里さんの演奏のビデオを上映していた。以前、1度だけ大里さんの演奏を見かけたことがあるが、そのときはあそこまで激しい演奏ではなかった。やっていることは、ギターのフィードバックを利用したノイジーなインプロビゼーションで、結構同じようなことをやっている人もいるのだが、何か彼を突き動かしている衝動が感じられて、単純にかっこいい。「ガセネタの荒野」で、バンド時代の演奏を表現した詩のような一節に、「僕らは終わり続けていた」「終わり続けていたから終わることができなかった」というような文があったが、これじゃ終われなかったのだろうな、そんなことを思わせた。年を取って枯れた何かでも、深化した技術でもない、青臭さを感じさせる演奏だった。


2次会は食事を囲みながらスピーチなどを聞きつつ、歓談、という内容。知人はいなかったので、なんとも話しかける気に何となくなれず、かといってさっさと帰る気にもなれず、ただその場の雰囲気を味わっていたという具合。大里さんの取ったという写真が置いてあったが、硬質な絵がとてもセンチメンタルで、存外に素晴らしい写真だった。生前試用していたギターやベースが売られていたが、フレットレスのプレシジョンベースやアコギなど、個性的な楽器だらけ。こういうところも、それらしいなと思う。


横国で行われていたゲストを呼んでの講義で、大友良英氏の回が会場にて上映されていたのだ。大里さんと大友さんの競演の様子も見られたのだが、大里氏の客席に背を向けつつギターをフィードバックさせるその演奏スタイルを見ていたら、自分はたしかこの演奏を見たんじゃなかったかと思い始めてしまった。本当にそんなことがあったのかは、未だにハッキリと思い出せないのだが、あの背中を向けて演奏する姿には絶対に憶えがある。自分のハッキリした記憶としては山本直樹さんの回だけだったのだが(あのときは大里さんに依頼されて山本さんの送迎を担当したので覚えている)。当時、大友さんの演奏をよく見に行っていたので、可能性はある。


追悼イベントはまだいくつか行われるらしいので、時間を作って行ってみようと思う。個人的には未見のAAを見てみたい。





クリムゾンのニューアルバム?「The Reconstrukction of Light」

クリムゾンが現行ラインナップでスタジオアルバムを作る予定はないと発言していることは有名だが、クリムゾンの最新スタジオアルバムと言えるかもしれない作品が登場した。それが6月発売されたばかりの「The Reconstrucktion of Light」だ。これは「The Constr...